床暖房が、わが国のマンションにもたくさん取り入れられるようになってきた。昔の床暖房でひどかったのは、銅管にお湯を通す方式のもの。コンクリートにこれを埋め込むと、一ヶ月くらいで床面にムカデのような形のひび割れが走る。温度変化で銅管が伸びたり縮んだりするためだ。お湯による床暖房は、お湯を出す根元と筒先で温度差が生じるため、床の表面材に反りや変形が生じやすい。表面材には寸法安定性のよい材料をつかわないと大変なことになる。電気をつかう方式にニクロム線方式があるが、長期的にはニクロム線が断線する危険性がある。最近おすすめなのが、炭素繊維を使った面状発熱体だ。温度のムラがなく安定しており、毎月の電気代もニクロム線方式に比べるとぐっと安い。厚さが数ミリと薄いので、床への収まりもいい。さらにアメリカ製の新タイプの電気床暖房は電圧が六ボルトと低く、感電の心配ない。しかも釘打ちができるメッシュ状のものだ。炭素繊維の板に電気を流すと電気抵抗が生じて、面全体が均一に発熱するので、温度差があっても三度程度である。シャワー式のトイレの発熱体にも使われており、故障が少なく温度が一定なことは、みなさんも実験済みであろう。床暖房の欠点は、温度が上昇するのに時間がかかるので、スイッチを入れたからといって、すぐに暖かくはならないことだ。断熱材の厚さと挿入位置を確認することが大切である。
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